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行政書士三浦友之事務所 代表 三 浦 友 之
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離婚の全体像

離婚には、大きく分けると「協議離婚」と「裁判上の離婚」があります。
協議離婚は、夫婦で協議して離婚することをいいますが、その協議が調わない場合には、裁判所が関与することになりますが、必ず、訴えを提起する前に家庭裁判所に離婚調停の申立てる必要があります。

 

裁判上の離婚には、調停離婚、審判離婚、裁判離婚、和解離婚の4種類があります。

 

そして、全体の9割を占めるのは協議離婚です。夫婦が話し合って、離婚に合意し、離婚届を役所に提出するだけの離婚方法です。

 

協議離婚の流れ

 


夫婦で離婚について話し合います。

 


子どもの親権をどちらにするか、養育費・慰謝料・財産分与について決めます。

 


すべての取り決め事項について合意に達したら、離婚協議書を作成します。
(※ 原則、公正証書にて作成することをお勧めします。)

 


夫婦と成人2名の証人が署名・押印した離婚届を、役所に提出し、受理されると離婚が成立します。

 

夫婦間では合意ができず、協議離婚が成立しなかった場合、調停を申し立てることになります。

離婚にあたり考えること

離婚による自分の姓と戸籍について

 

結婚により、姓を変更した者が、結婚時の戸籍から出て、旧姓に戻るか、結婚時の姓を継続して選択するかを決めます。
旧姓を選択した場合は、旧戸籍(親の籍)に戻るか、新しく戸籍をつくります。結婚時の姓を選択する場合は、離婚の際に称していた氏を称する届を提出します。

 

離婚による子どもの姓と戸籍について

 

夫婦が離婚しても、子どもは結婚時の戸籍に残るので、子どもの姓と戸籍は変わりません。結婚時の姓を選択しても、子どもと戸籍は別のままです。戸籍を出た者と子どもの姓を同じくするには、子どもの姓を戸籍を出た者の姓に変更し、次に子供をその戸籍に入れる手続きとなります。

 

子どもに関しての取り決め(親権・面会交流)

 

離婚する際には、子どもの親権者を決める必要があります。親権とは「子の身上監護権、およびその義務」「子の財産管理権、およびその義務」と身分上の法定代理人としての立場があります。夫婦が婚姻中であれば、子どもの親権は夫婦2人の共同で行使します。しかし、夫婦が離婚する場合、どちらか一方を子どもの親権者と定めなければなりません。

 

夫婦関係が解消されても親子関係は変わらないので、離婚後、親権者または監護者にならなかった親が、子どもに面会したり一緒に過ごしたりする面会交流権について定めるようにします。

 

【参考】民法
第766条 父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。

 

養育費について

 

養育費とは、子どもが自立するまで健やかに育つために必要なお金です。実際に子どもを養育している親に対し、子どもと離れて暮らす親が負担することになります。

 

養育費について「期間」「金額」「方法」を公正証書(強制執行認諾約款付き)により作成します。

 

財産分与について

 

財産分与とは、婚姻中に築いた夫婦の共有財産を清算することをいいます。

 

財産分与には、「清算的財産分与」と「扶養的財産分与」があります。清算的財産分与は、結婚生活で夫婦が協力して得た財産の清算のことです。扶養的財産分与は離婚後の生活に経済的支障がある場合に、経済的なメドが立つまでの支援をする財産分与です。その他に、慰謝料的財産分与や婚姻費用の清算を財産分与で行う場合もあります。

 

財産分与の請求は離婚後でも可能ですが、慰謝料的財産分与は3年(民724)、その他は2年(民768-2)を過ぎると請求できなくなります。

 

【参考】民法
(不法行為による損害賠償請求権の期間の制限)
第724条  不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。

 

(財産分与)
第768条  協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。
2  前項の規定による財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、離婚の時から二年を経過したときは、この限りでない。
3  前項の場合には、家庭裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。

 

年金分割について

 

公的年金には、国民年金と厚生年金の2種類あります。国民年金は離婚の有無に関係なく、夫婦はそれぞれ個人で年金を受け取ることができます。一方厚生年金は、サラリーマンが対象となります。年金を受け取ることができるのは被保険者本人のみです。
したがって、夫がサラリーマンで、妻が専業主婦の場合、年金受給年齢を迎えたときに、夫は国民年金と厚生年金の両方を受け取るのに対し、妻は国民年金だけとなります。

 

そのような中で、いざ、離婚に直面した場合、この夫婦間の経済格差を解消するため離婚後の厚生年金分割制度が制定されました。

 

対象となる離婚は2007年4月以降の離婚です。そして、分割の対象となる期間は2007年4月以降の離婚であれば、それ以前の結婚から離婚までの厚生年金加入期間が分割対象期間となります。

 

婚姻期間の部分の夫婦の厚生年金保険料納付実績の最大2分の1が夫婦の分割割合です。

 

※分割の請求は、離婚後2年を経過するとできなくなります。
※合意分割制度は、夫婦の合意によって年金分割の割合を決定し、社会保険事務所に請求します。話し合いがつかない場合は、家庭裁判所に申し立てを行い、信販や調停を得ることになります。

 

厚生年金の3号分割制度
2008年5月1日以降に離婚した場合、夫婦のいずれかが第3号被保険者(サラリーマンの専業主婦)であった期間中の相手方の保険料納付実績を、合意の必要なく2分の1に分割する制度です。この制度により夫が2分の1以下の分割要求しても、妻は2分の1の分割を確保できるようになりました。ただし、対象となるのは2008年4月1日以降の部分に限定されています。2008年3月以前の分は2007年4月以降ルールが適用され、夫婦で話し合いが必要です。

 

慰謝料について

 

離婚の慰謝料とは、不倫などの違法行為により離婚原因をつくった配偶者から受けた精神的苦痛に対する損害賠償金をいいます。

 

慰謝料が認められるには、相手方の行為が違法であることが前提であり、本人が精神的苦痛を感じても、相手方の行為が違法とまでいえなければ認められません。したがって慰謝料の請求が認められるためには「違法行為」かつ「その行為が離婚原因」であることが必要です。

 

離婚後の収入がない、または不足している配偶者に対して、生活費を援助する取り決めを行うことがあります。「離婚後扶養」と呼ばれますが、法律的な規定はありません。調停や裁判などでは、財産分与や慰謝料などの名目で支払われるケースがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 

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